目指すは里山総合会社。 土地の魅力を市場へ。

合同会社 山立会なめこ生産・食堂・羊牧場経営

はたらく

SANTOHJIN

でけえなめこを事業承継

スーパーマーケットや道の駅で大きななめこを見たことはありませんか。 

 

この通称「でけえなめこ」は、白山麓の木滑きなめりでつくられています。 

木滑でなめこ栽培が始まったのは今から約50年前の1972年。 

前身となる木滑なめこ生産組合の組合長が、ほかの生産農家と一線を画すため、この「大きすぎるなめこ」を開発し、自ら売り先を開拓する独自路線でファンを増やし続けてきました。 

瓶に詰めたブナやミズナラのおが屑になめこ菌を植え付け(植菌)、温度や湿度を管理しながら、培養、熟成を経て、なめこが発生し、粒の大きさが異なるため、手作業で丁寧に収穫しています。 

 

 

そのなめこづくりを2018年に事業承継したのが、『合同会社 山立会やまだちかい 』です。 

同社では来訪者が自分で収穫し、食堂でバター焼きなどにして食すまでの体験プランを実施するといった展開も見せています。 

 

里山の価値を市場に届ける 

 

『山立会』は代表の有本勲さんが2017年に個人事業主として立ち上げたことが始まりです。 

 

有本さんは京都府の出身。

学では動植物、特にツキノワグマの研究に没頭し、その生態を追って富山県や東京都奥多摩に拠点を移しながら、博士号まで取得しました。その後、就職を機に白山麓に移り住み、白山ふもと会に所属して狩猟の資格や野生鳥獣の解体の技術も得たといいます。 

 

「白山麓の過疎化、高齢化はどんどん加速しています。私が住んでいる間にも外に出ていく若者が何人もいました。就職先がないわけではありませんが限られていますし、起業をしても顧客が近くにいない。生計が立てられなければ外に出ていくしかなくなります。そこで里山で雇用を生む仕組みをつくりたいと『山立会』を設立しました」。 

 

 

社名にある「山立」とは東北方面の言葉で、山で生まれ育った人や猟師を指すといいます。 

有本さんは里山で暮らす猟師たちこそ誰よりも山と動物を愛していると感じ、この名前を付けたそうです。 

 

多角的に展開していく事業 

 

現在、同社では、木滑なめこの栽培に加え、『山立会食堂』の経営、羊の放牧、野生動物の管理サービスといった事業を展開し、里山で収益化できることを模索しています。 

 

『山立会食堂』では、なめこ料理のほか、白山麓で捕獲されたジビエ料理、羊肉料理などを提供しています。 

特に人気なのが自家製和風ソースで仕上げたローストイノシシ丼です。 

 

 

有本さんの狩猟や解体の経験から、その人脈で複数の食肉処理施設からイノシシ肉を仕入れて調理。 

料理自体をおいしく味わってほしいという”想い”と共に、里山に生きる人にとって野生鳥獣の捕獲が必要な現実を知ってもらいたいとの思いもあるといいます。 

 

人里にイノシシやクマなどが現れることによって、人に危害を加えることや農林業への影響が危惧されます。また、野生鳥獣の数が増えすぎると山の生態系バランスを壊し、自然全体の破壊にもつながってしまいます。 

人々の安全、農林業への被害防止、生態系の維持といった理由から、野生鳥獣の捕獲は国や自治体の管理下のもと行われています。 

 

ジビエ料理を通して、里山の暮らしに狩猟が必要なこと、そして奪った命を無駄にしないことを知っていただければと有本さん。 

 

次に、食肉用羊を生産する牧場の運営です。 

 

羊の放牧は、元は2014年に石川県立大学の教授の研究がきっかけで、白山麓の耕作放棄地対策や雇用創出を目的に始まりました。 

2020年に『山立会』が事業を承継し、モニターツアーの開催など観光事業化への取り組みも始めています。 

里山ビジネスモデルの構築としては、1次産業としての羊の肥育と繁殖、2次産業としての加工品の開発や製造、さらに3次産業として羊肉料理の提供までを一貫して行う6次化を最終目的としています。 

まず、2020年から白山麓産ブランド羊「白山サフォーク」としてラム肉の販売を開始し、その後、羊肉入りのレトルトカレーの開発も行いました。 

3次産業として「白山サフォーク」の料理の提供はまだ叶わないものの、「羊のエサやり+羊肉を食べる」という命の大切さを感じる食育体験プランを実施。 

 

3年後には、食肉としての規模拡大や観光事業としての牧場を盛り上げて、白山麓ににぎわいを創出させていきたいと考えているそうです。 

 

全国に広げていきたい 

 

この里山ビジネスは白山麓に留まらず、いずれ全国へと展開したいと有本さんはいいます。 

 

「まずは白山麓の『山立会』がモデルとなり、収入を得るノウハウを培い、いずれは全国の里山へ広げていきたいと考えています。当社のミッションは、里山地域の課題解決と、里山の価値を創出し市場までしっかり届けること。これは白山麓だけの問題ではないので、将来的には全国の里山へと事業展開していきます」。 

 

同社にはこの思いに賛同する20代から40代の若者5人が正社員として所属。 

社員の一人、中出倫留さんに話を伺いました。 

 

 

「今、私は経理と食堂スタッフ、なめこの栽培作業の補助を担当しています。

前職の頃から休みの日には登山に出掛けるなど、とにかく山が好きだったです。いつか山で働けたらと考えていたところ、『山立会』に出合い、里山の活性化や山を守る理念に共感して転職を決めました。

山を守るというのは、森林伐採や狩猟をしない、という考え方とは違います。里山の暮らしや生態系のバランスを維持し、暮らしを守るためには、木の伐採や狩猟も必要と考えています。

また、里山の活性化は、決して都市開発的な意味でもありません。山と共に生きながら、里山の魅力や環境を活用した事業を創れるかがカギなのだと思います」。 

 

 

代表の有本さんは常に将来へのビジョンを立てています。 

会社としては15年後には全国15拠点を構える里山総合会社を目指しているのだとか。 

まずは、白山麓での里山ビジネスモデルの構築に掛かっており、実績の積み重ねと思い切った挑戦を続けていきたいといいます。 

『山立会』の取り組みが、全国の里山にて関係人口の創出・拡大や若者の流入にもつながるのではと期待も高まります。 

求人詳細

なめこ生産・食堂・羊牧場経営

合同会社 山立会

住所
〒920-2326 石川県白山市木滑西1番地
電話番号
076-255-5579
SNS
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▶Instagram @yamadachi_kai
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山立会やまだちかい食堂』のスタッフ募集

募集職種
食堂店舗責任者
雇用形態
正社員
給与
月給17万円~
待遇・福利厚生
・各種社会保険完備(健康・厚生年金・労災・雇用)
・通勤手当(15,000円迄/月)
◇ 雇用保険
◇ 労災保険
◇ 厚生年金
◇ 健康保険
◇ 交通費支給あり
※住宅は、本社のある白山麓地域での空家であれば家賃相場2万円前後(相談に応じます)
勤務地
石川県白山市木滑西1番地
仕事内容
イベント企画、調理、食品の加工など
勤務時間
8:30~17:30(休憩1時間)
休日休暇
週休2日制(年間120日以上)
求める人物像
・自分で考えて行動できる人
・新しいことに挑戦しにいく人
・社交的な人
問い合わせ先
TEL:076-255-5579
Mail:arimoto★yamadachi.com(採用担当)
※★を@に変更して送信してください

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