若い力と笑顔あふれる山の大判焼き店。

大判焼 山法師小売業

はたらく

SANTOHJIN

山のふもとで愛され続ける『山法師』の大判焼き

 

『山法師』は白山麓へのドライブやツーリングの休憩拠点「吉野工芸の里」の入り口にあります。

 

茅葺屋根の建物で、大判焼きやたこ焼き、地元農家の野菜などを販売しています。看板商品の大判焼きを求め、連日多くのお客様が遠方より訪れます。 

 

 

その魅力は何といっても中に入っているあんこ。 

 

これでもかというほどにたっぷりで、その量は一般的な大判焼きの倍以上かもしれません。思わず笑みがこぼれてしまいます。 

これほどあんこのボリュームがあるにも関わらず、上品でしつこくない甘さと、しっとりとした口当たりが絶妙で、つい2個目に手が伸びてしまう人も多いといいます。 

 

つぶあんの他にも通常メニューにはカスタードや豆乳クリーム、季節限定の味では春にはさくらやほうじ茶あん、夏はレモンや黒ゴマあん、秋には栗あんなどがあります。 

 

「おばちゃん」と慕われる店主 

 

店を覗くと、快活な若者が数人働いているのがわかります。 

そして、その中心で誰よりも元気なのが、彼らに「おばちゃん」と慕われる店主の海老原淳子さんです。 

 

海老原さんは元々冬の金沢セイモアスキー場(現白山セイモアスキー場・白山市河内町内尾口)の食堂で働いていましたが、縁あって今の場所で地元野菜の直売所の委託をされました。 

 

「吉野に縁のない人に来てほしかったみたいね。しがらみとかがない方が農家の人にも使いやすいって思ったのかも。直売だけでなくて、空いたスペースで好きな商売もしていいよと言われて、たこ焼きをしようかなって」。 

 

店の裏手にあるヤマボウシの木の花が咲く頃から実のなる頃まで営業することにちなみ、店名を『山法師』として営業し始めました。 

海老原さんのたこ焼きはスキー客からも評判があり、その人柄も相まって、土日にはスキー場で出会った人やドライブ客がよく訪れたそうです。 しかし、困ったのが平日。 

 

 

「平日やと近くに住んどる年配のお客さんが多いの。

そうするとたこ焼きってあんまり売れなくて。何が好きかなって考えて、大判焼きやってみようかなって。

出入りしてくれていた業者さんが、愛知県のあんこの会社を紹介してくれて、そこで作り方も教えてもらってね」 

 

では、『山法師』の代名詞ともなるあのたっぷりのあんこはいかにして生まれたのでしょうか。 

 

 

「作り方聞いても、他のお店の大判焼きを見ても、あんこってちょっとしか入ってないなって思ってたんよ。

それでね、いっぱい入れたらお客さんが喜ぶかなって思って入れてみたの。どこまで入れられるかしらってどんどん増やしてみたら、すごく喜んでくれて。

その顔を見たら私がもう満たされて」 

 

 

客さんの喜ぶ顔を見たくて海老原さんが開発した『山法師の大判焼き』は、一日で平均1000個ほど、多い日は1500個ほどを販売します焼き台が空になる時間はほぼないそうです。 

 

山法師に集まる若者たち 

 

元気、いさみさん、おばちゃん、かんちゃん、テッちゃん。 

取材の日に店にいた山法師で働く方々のお互いの呼び名です。 

 

ヤマボウシの花言葉は「友情」。 

世代に関係なく、まるで友達同士のような、親子のような、兄弟のような、仲の良い雰囲気が伝わってきます。 

正社員の一人、テッちゃんこと中出哲也さんに話を伺いました。 

中出さんはスキー場で海老原さんと出会い、始めはアルバイトから始まり、今は正社員。 

ここで働いて10年になります。 

 

 

「ここで働き始めたときに、おばちゃんに言われたのが、『お客さんの顔を覚えなさい』ということでした。

山法師は常連のお客さんの層がすごく厚いんです。だからこそ、大判焼きを買っていただいて、お渡しするまでの少しの時間にする接客は大事なんですよ。

ここで働くまで、土木や飲食などいろいろな仕事を点々としましたが、一生はできないと思ってしまい、続きませんでした。ですが、山法師では決まりきったことを続けるのではなく、挑戦できることも多くて。

最近では、11月に開店する『山法師 森本不動寺店 』の店長を任されることになりました」。 

 

仕事は真面目に、しかし家族や友達のように親しく構築される関係性も職場の魅力だといいます。 

 

 

「他の仕事ではあまりなかったですが、結構皆しゃべりますし、プライベートのことも相談します。

元々皆、おばちゃんの人柄に引かれて入ったところもありますが、仕事はしっかり、でも人間関係もよくありたいと思っているんじゃないですかね。

おばちゃんには恋愛相談をしたこともありましたね。そんなんじゃだめよって叱咤されて(笑)。 

また、それから私は海外に行くのも好きで、冬場に長期の休みを取らせてもらったこともあります。ライフワークバランスが取れることも良さですね」。 

 

昨今の社会ではプライベートと仕事を切り離し、仕事の人との付き合いは深めたくないという人も多いといわれますが、『山法師』はその真逆をいっているのかもしれません。 

 

コラボや催事、新店舗など展開が広がる 

 

若い従業員が増えたのは、15年以上前、現店長のかんちゃんこと神澤元さんが働くようになってから。 

海老原さんの大判焼きは当時から人気でしたが、若い力が増えることでフットワークはより軽くなり、展開が広がっています。

 

例えば、能登に本店を置き、世界大会での優勝経験もある『マルガージェラート』とのコラボレーションで「あんこdeティラミス」という商品が生まれました。 

『山法師』で使っているつぶあんに大判焼きの生地の耳を混ぜ込んだジェラートで、ティラミスの風味ともよく合う一品です。 

それまで廃棄されていた生地の耳を活用したそうです。 

 

また、冬の期間は一旦閉店するのですが、1月から3月には県内外のデパートやスーパー銭湯などに出店し、その味を届ける営業も開始。 

他にも従業員の提案でオリジナルTシャツを作ったり、SNSでの発信を積極的に行ったり、大判焼きの冷凍販売を行ったりと多様な広がりを見せています。 

 

2023年11月には、海老原さんがプロデュースした鶴来にある『おもてや』に続き、金沢市不動寺町に『山法師 森本不動寺店 』が開店。 

新メニューとしてカレーライスの販売や冷凍大判焼きの自動販売機の設置もしています。 

 

さらに、店としての展開だけでなく、吉野の店の裏手にスケートボード場「吉野谷スケートパーク」の受付も担っています。 

石川県にはスケートボードの練習場が少なく、現在公営のスケート場では「東金沢スポーツ広場スケートボード場」が唯一。 

そこで、屋根付きのスペースを活用し、D.I.Yした障害物を設置したスケートの練習場を提供し、その管理を行っています。 

 

演習場を求めて吉野谷を訪れる親子連れや若者もおり、白山麓地域への関係人口の創出としても一翼を担っていく可能性を秘めています。 

 

 

『山法師』の大判焼きは、店主の海老原さんの「お客さんを喜ばせたい」という純粋な思いから生まれました。 

この思いは従業員にも浸透し、大判焼きを求めてくださる皆さんのためにできること、地域の人のためにできることを考えた展開をしてきました。 

 

これからも“おばちゃん”の大判焼きと思いを持って、どのような動きを見せてくれるのか目が離せません。 

求人詳細

小売業

大判焼 山法師

住所
〒920-2321 石川県白山市吉野春25
電話番号
076-255-5977
営業時間
10:00~18:00
定休日
火曜
(森本不動寺店は、木曜、第3金曜 )
SNS
▶Instagram@yamaboushi5977
募集職種
総合(たこ焼き、大判焼きメイン)
雇用形態
①アルバイト
②正社員
給与
①933円
②要相談(面接時)
勤務地
本店(石川県白山市吉野25)
森本不動寺店 (石川県金沢市不動寺町ホ18-3)
勤務時間
9:00~18:00 (店は10:00開店)
休日休暇
本店/火曜
森本不動寺店/木曜、第3金曜
求める人物像
・社交的な方
・飲食業の好きな方
問い合わせ先
076-255-5977(本店)
076-204-8840(森本不動寺店)

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