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白山麓名物・堅とうふ。道の駅でその味を伝える。
とうふ 伝好豆腐製造・販売・飲食
はたらく
白山麓の名物「堅豆腐」
石川県内に住む人ならご存じかもしれませんが、白山麓には“堅豆腐”という郷土名物があります。
交通の便が良くない時代、長く保存できるように作られたとされ、にがりを強くして、水分をしっかりと切って押し固めているから、縄で縛っても崩れないほど固い豆腐といわれています。
通常の2倍以上の大豆が使用されているため、旨味が凝縮され、味わいは濃厚。
店ごとに個性があり、今回紹介する『伝好』では、水分と旨味をできるだけ残して作られ、豊かな風味がありながらも食べやすく滑らかな口当たりが特長です。
店舗を「道の駅 瀬女」の敷地内に構え、自家製の豆腐の製造・販売と、その豆腐を使った料理を提供しています。
「伝好」の堅とうふづくりの歩み
現在、店は父の出口浩志さん、6代目となる息子の拓磨さん親子が営んでいますが、豆腐を作るようになったのは浩志さんの父の代から。 元は主に食料品を中心に扱うよろず屋でした。
バブル崩壊後、よろず屋としてだけでは経営が成り立たないと、浩志さんの父が豆腐づくりに着手したといいます。
「当時私は父の勧めもあり、宿泊施設で働いていました。父が豆腐づくりを思い立ったのは、初代が豆腐づくりをしていたことがあったのでしょう。とはいえ、豆腐づくりは素人だった父が常連客を獲得するまでになったのは、父のセンスの良さや器用さもあったと思います」。
手作り豆腐は徐々に評判を呼び、常連客を獲得するようになりました。
しかしその矢先、先代が病に倒れ、浩志さんは店を継ぐかどうかの選択を迫られます。
「店を継ぐと言っても、父は豆腐づくりの一切を教えてくれず、仕事は辞めるなの一点張り。
悩んでいても仕方がないと、ひとまず豆腐が作れるか挑戦してみたんですね。試行錯誤の末、できた豆腐を病室の父の元に持っていくと、静かに食べて一言、『うまい豆腐やった』って言ってくれたんです。めったにそんなこと言わないので、なんだかすごく印象に残っていて。
その言葉を聞いて、跡を継ごうと決心しました」。
大豆は富山県入善町の契約農家から仕入れ、にがりは石川県珠洲市の塩田の天然にがりを、水は白山からのミネラル豊富な伏流水を使用。 素材の良さはもちろんのこと、これらの相性や作業工程の一つ一つが「うまい」豆腐を生みます。
浩志さんは今も朝4時から、大豆を水に浸してすり潰し、火を入れてこし、にがりを入れて、押し固め、豆腐づくりに勤しんでいます。
豆腐づくりだけでなく、浩志さんの代では「道の駅 瀬女」での出店も決まり、客層に合わせたメニュー展開、テイクアウトの充実なども図り、人気店へと成長。
そして、6年ほど前に、別の仕事をしていた息子の出口拓磨さんが加わりました。
飲食部門の充実
店舗では『伝好』の豆腐や油揚げを味わえるメニューが充実し、この味をドライブの目的地に訪れる方も多いそう。
昼時には多くの客でにぎわい、行楽シーズンには行列となることも珍しくありません。
人気の「とうふ膳」は堅とうふを刺身として味わえるほか、おぼろとうふのみそ汁、油揚げをのせたそば、自家製のおからサラダなどが並びます。
堅とうふやおぼろとうふなど、地域外では見かけない商品は特に、実際に食せることが販売促進にもつながっているといいます。
飲食スペースで働く出口明都紗さんに話を伺いました。
「豆腐料理のおいしさは自信を持っておすすめできます。豆腐がメインになることはあまりないのかなと思うんですが、『豆腐ってこんなにおいしい』ということを知っていただきたいと思っているんです。体のメンテナンスにと定期的に食べに来てくださる方もいます。
お客さんの多くは遠くから足を運んできてくださっていますが、リピーターも結構いらっしゃって。また来たいと思っていただけるように、明るく接客するように心掛けていますので、実際に来てくださると励みになります。また、お食事の後に豆腐を買ってくださるのも、おいしさが伝わったんだとうれしくなりますね。食事が食べ方の参考にもなるみたいで。ちなみに堅とうふはシンプルにオリーブオイルと塩で食べるのもおすすめなんですが、食べ方を尋ねられたら答えられるよう、自分でも色々と試しています。
忙しい時間は大変ですが、職場の雰囲気も良く、お互いに感謝し合える関係性が築けています。実は従業員のなかにも、リピーターというか、一度事情があって辞めたけど、またうちで働きたいという人、遠方から短期で何度も来られるスタッフもいるんですよ。何より『伝好』の豆腐が好きな人の集まりです」。
継承する味と展開する味
現在、『伝好』の柱となる豆腐づくりは父の浩志さんから息子の拓磨さんへと引き継がれ、次の世代へ残していくための動きが始まっています。
「豆腐づくりをするようになって学んだのは焦らないこと。作業は4時から行って、10時の開店までに仕上げなければなりません。しかし、少しでも焦ってしまうと仕上がりはよくならないんです。かき混ぜる回数や早さ、温度管理など、焦ってしまえば品質は保てずに失敗してしまう。
豆腐は水、大豆、にがりというシンプルな材料だけに、こうした作業の丁寧さが味に反映され、店ごとの個性にもなってきます。作り手の経験や勘も試され、季節や気温など毎日の変化に対応しなければなりません。
自分の中で今の豆腐づくりは70点以上をキープしているところ。100点の豆腐づくりができるよう、もっともっと研鑽を重ねていきたいと思います」と拓磨さん。
「しかし同時に、手作りだからこそ毎日微妙に違うのも良さなんです。
いつもより少しだけ滑らかだとか、ちょっと固めだとか。うちの豆腐は濃厚な味だけど口当たりは滑らか。この品質を保つことは当然ですが、常連さんのなかには、こうしたわずかな違いが楽しみなのだとおっしゃる方もいます。
自分は料理もするので、この違いで調理の感覚の違いを感じる時もありますね」。
父の浩志さんも豆腐のレシピは伝えたものの、すべてを教えてはいないそうで、豆腐づくりにおいても、店の運営にも、拓磨さんの気付きや発想を尊重しているようでした。
現在、店づくりは拓磨さんが主となっています。
前職では料理人をしていたこともあり、テイクアウトデザートメニューの充実やSNSでの豆腐レシピ紹介、季節限定のメニューの考案などを通し、堅とうふに馴染みのない方にも親しんでもらえるよう工夫を凝らしています。
電子マネーの利用を可能にし、利便性も向上。
また、『ウメサ味噌』(金沢市)の合わせ味噌、『福光屋』(金沢市)の福正宗の酒粕を独自配合して堅豆腐に塗り、熟成させた「みそ豆腐」の開発も手掛けました。
祖父は豆腐づくりへの事業展開をさせ、父は道の駅への出店に挑み、持続・発展を遂げてきた『伝好』。
今後は、拓磨さんのアイデアと発信力で、商品の魅力が深まり、さらなる広がりをみせていくことでしょう。
求人詳細
豆腐製造・販売・飲食
とうふ 伝好
- 住所
- 〒920-2331 石川県白山市瀬戸寅138-3
- 電話番号
- 076-256-7325
- 営業時間
- 食事 11:00〜16:00(売り切れの場合は時間より早めに閉店)
販売 9:00〜17:00(夏季は~18:00) - 定休日
- 木曜、第3水曜(年末年始 ・臨時休業有り)
- SNS
- ▶facebook
▶Instagram@denko_hakusan
- 募集職種
- 飲食スタッフ
- 雇用形態
- アルバイト・パート
- 給与
- 時給1,000円~
(交通費別途、まかない付き) - 勤務地
- 石川県白山市瀬戸寅138-3
- 勤務時間
- 10:00~17:00(3時間~相談)
- 休日休暇
- 木曜、第3水曜、年末年始休業
- 問い合わせ先
- TEL:076-256-7325