造園を通じて景色を作り、自然の素晴らしさを伝える

合同会社 白山麓ナーセリー造園業

はたらく

SANTOHJIN

自然の中に身を置き、自然の魅力を伝える

 

近年、「おうち時間」ブームも相まって、観葉植物や苔、盆栽など暮らしに植物を取り入れる人が増えており、家づくりや店舗設計においても庭は重要な存在になっています。

 

白山市河内町に拠点を置き、2010年から活動をしている「白山麓ナーセリー」は個人宅から店舗までさまざまな庭を手掛ける庭づくりのプロフェッショナル。2022年からは苔部門「白山麓ナーセリーmoss」もスタートし、ますます注目を集めています。

 

活動範囲は白山市に留まらず、金沢市や近隣市町などでも引く手数多。街を歩いていて「素敵だな」と思った庭が、実は白山麓ナーセリーによるものということも少なくありません。一体どのように、多くの人の心を惹きつける庭を生み出しているのでしょうか。

 

 

代表の山本陽史さんは兵庫県尼崎市出身。大学で建築を学んだのち「生まれ育った土地とは違う場所に住んでみたい」と、金沢市にある企業に就職しました。数年後、白山市松任地区にある造園会社に転職。「うちの家族はみんな職人で、じいちゃんは指物大工(家具職人)、父は鍛冶職人、兄はパティシエだったんです。自分も手に職を付けたいと思い、また金沢は庭文化が盛んで、もともと自然が好きだったこともあり、造園業に興味を持ちました」と語ります。

 

プライベートでは、2003年に白山麓へ移住。山での暮らしは山本さんにとって昔からの夢だったといいます。移住先の家の裏手は山になっており、「子育てをする環境として良かったですね。外で自由にのびのび遊ぶことができ、娘は自生している桑の実を採って食べたりしていました。今でも『子どものとき、楽しかった』と話してくれることがあるんですよ」と振り返ります。

 

転職先の造園会社は公共事業を多く任されており、兼六園や石川県知事公舎、石川県政記念しいのき迎賓館の庭の管理などさまざまな仕事を経験。11年間でノウハウを学び、37歳で独立。2010年に「白山麓ナーセリー」を立ち上げました。「自分たちの仕事は、手元に自然の環境を作ること。だからこそ山を拠点に、日頃から自然を見て・感じていることに意味があるんです」と教えてくれました。

 

季節の移ろい、風や光、影を楽しむ

 

 

「庭のある暮らしの魅力は、四季を感じられるところです。春は新芽が出て、夏は緑が増える。秋に紅葉して、冬は落葉する。季節ごとの変化があって、それによって建物の印象も変わります」。

 

造園の依頼を受けたときに必ず質問しているのは「庭で何をしたいか」ということ。「庭を眺めたいのか、家族で遊びたいのか、どういった目的で庭を作りたいのかを聞いています。せっかく庭を作るのだから、持ち主が大切にしたい、あってよかったと思える庭を作りたいですね」。職人であり営業担当でもある山本さん。打ち合わせではお客さまの声に丁寧に耳を傾け、要望を引き出した上で庭を提案し、「納得してもらったものを表現する」ことに醍醐味を感じているといいます。

 

また、美しい「影」を作ることもこだわりの一つです。影は強い日差しから人を守ってくれるだけでなく、シルエットを眺めて楽しむこともできます。「庭を外に出て眺めるだけでなく、家の中にも枝や葉の影ができて、そのシルエットや風がそよいで揺れる様子を見て楽しむことができる、そんな庭づくりを心掛けています」と話します。

 

完成しても、変化し続ける

 

 

現在、白山麓ナーセリーで働いているのはアルバイトやパートタイマーも含めて5人。働き方の融通が利きやすいのでライフワークと掛け持ちをしている人や、以前は閑散期である冬場にスキー場で働いていた人もいたのだそう。「造園業は独立してなんぼの世界。現場での職人作業だけでなく、お客さまとの打ち合わせや図面描き、経理に至るまで、学ぶ意欲がある人には惜しみなく教えたいと思っています」といいます。

 

 

2024年10月に入社した社員の濱渦哲帆さんは高知県出身。木工職人や造園会社での勤務を経て、結婚を機に石川県に移住しました。入社の決め手は「山本さんの人柄」だったといい、「従業員一人ひとりの考えを尊重したり、柔軟性があるところに惹かれました」と教えてくれました。

 

「日が昇るのと一緒に働き始めて、日が沈む頃に家に帰るこのリズムが自分に合っています。この仕事の好きなところは、正解がないところです。木工は寸法を間違うと完成できませんが、庭はもっとおおらかで、感性で仕上げていくことができます。また、植物は生き物なので完成しても変化し続けます。お手入れでも継続的に関わっていきますし、次の世代に残すことができるのがやりがいですね」と丁寧に言葉を選びながら語ってくれました。

 

 

オーソドックスな和風庭園から現代的な庭まで、幅広い表現を得意とする白山麓ナーセリー。「造園の古典的なところに技術や基礎が詰まっています。基本ができるからこそ、新しいものに応用することができるんです」と山本さん。今回、二つの現場を見させていただきました。

 

一つ目の現場は、金沢市の「zuiun 金沢店」にあるカフェの中庭です。晴れた日には食事をすることもできるようになっており、「思わず外に出たくなるような庭を目指しました」とのこと。ジューンベリーやハウチワカエデ、アオダモなどがのびのびと枝を伸ばしており、根元にはアクセントとして胡桃の殻が敷き詰められています。「剪定はもちろん人の手によるものですが、自然の摂理にのっとり、自然樹形を保てるように見極めて手入れをしています」。

 

 

二つ目の現場は、金沢市近郊の由緒あるお屋敷の庭です。取材時は雪の季節を目前に控えた11月。山本さんたちは苔を大切にしながら手作業で雑草を抜いたり、松の木の枝ぶりを整えたりしていたほか、松の枝を守るための「雪吊り」の作業をしていました。

 

 

白山麓ナーセリーが手掛けた庭はどれも優しくおおらかな雰囲気で、眺めていると心が落ち着きます。そこで過ごす人が自然体になれる場所。それは、自然や植物のことを深く理解した造園のプロフェッショナルたちが、植物の在り方を尊重し、生き生きとしていられるように手をかけているからこそ、実現できることなのかもしれません。

求人詳細

造園業

合同会社 白山麓ナーセリー

住所
〒920-2305 石川県白山市河内町江津巳92-1
電話番号
076-256-3766
雇用形態
アルバイト・パート(正社員への登用あり)
給与
時給1000円~ 交通費別途支給
仕事内容
住宅・店舗等の庭造り、剪定、雪吊り、苔の栽培
勤務時間
7:30~17:00 (休憩 午前・午後各30分 昼60分)
休日休暇
日曜・土曜日隔週 冬季は週休二日
待遇
労災保険 正社員は厚生年金・社会保険・雇用保険あり
問い合わせ先
SNS(インスタグラム @hakusanroku_ns   @hakusanroku_nursery_background)のDM、メール(hakusanroku_ns@yahoo.co.jp)、電話(076-256-3766)
メッセージ
☆色々な経歴を持ったスタッフが働いています。週2、3日でもOK
ダブルワークの方も歓迎、女性でも大丈夫です。
古典的な技術や知識を使い、新しい物をつくる
クリエイティブで楽しい仕事です。

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