「白山麓産」の米を守り、次世代へつなぐ。

株式会社 ファーム白山農業

はたらく

SANTOHJIN

白山麓の米づくり

白山麓の平地部には、山々を背景に田園風景が広がっています。

この辺りは白山から流れる清らかで豊かな水と山間ならではの昼夜の寒暖差があり、米をおいしく育ててくれるといいます。

 

 一方で、農業は従事者の高齢化と後継者不足で、離農する人が増えている現状があり、それはこの地域も例外ではありません。 

 

この問題に向き合い、白山麓の米作りをつないでいくために設立されたのが、『株式会社 ファーム白山』です。 

 

 

代表の清水勇介さんは元JA職員。 

仕事でたくさんの農家の方の話を聞く立場にあった清水さんが、起業を決意したのは使命感にも似た思いだったのかもしれません。 

 

「保険の業務をしていた時、離農を考えているという声が農家の方から多く聞かれたんです。実際に辞められる方もいました。白山麓の稲作は平野部の稲作と違って、機械を入れられない場所があったり、野生動物に荒らされることがあったりという苦労があります。そして収穫量も多くはない。だから高齢になると、続けられないという選択になってしまう」と、白山麓で作られる米の衰退危機を知った清水さん。

 

 

「白山麓で育ったお米って食べたことありますか?おいしいんですよ。甘味があってもちもちとした粘りがある。僕の出身はここ鳥越地区よりは山手ですが、同じ白山麓です。このおいしいお米をなくしてはいけない、白山麓で生まれた自分が守っていかなければと思い、会社を辞めて農家へと転身しました」。 

 

始めた当初は18haだった農地も、現在は25ha。 現在は3名の社員で主に活動しており、もち米を含めた5種類の品種を育てています。 

 

「ファーム白山」という名に込めた思い 

 

清水さんが会社を設立した理由の一つが、白山麓の米を守っていくことにあります。 

そのため、社名には個人を出さず、わかりやすくしたとか。 

 

「この白山麓の米や農地を守り続けていきたいと考えています。自分の代の跡にも継いでくれる人がいてほしいと思いますし、世代を超えて“誰か”が継承していけるようにと社名を決めました」。 

 

そして、その理念は商品名でも前面に押し出しています。 

『白山麓産こしひかり』、『白山麓産ゆめみづほ』、『白山麓産ひゃくまん穀』。 

同社で収穫した米は半分を農協に出荷していますが、残り半分を「白山麓産」を冠して消費者の元に届けています。 

 

 

「食べていただきたいのは、うちの米というより『白山麓産』の米なです。実はこの米袋はうち以外の個人の農家さんでも希望する人には使っていただいています。地域全体で白山麓産のお米を盛り上げていければと考えているです。販売も仲卸はせず、人伝いに求めてきてくださる方やまた食べたいと言ってくれる方など、『白山麓産』の米を求めて来てくださる方に直接お渡ししていきたいと思っています」。 

 

作業や方針は社員三人四脚で話し合い 

 

現在、ファーム白山の社員は清水さんを含めて3人。 

 

朝8時に出社すると、ミーティングから始めます。その日何をするのか、何日までに何をしなければならないのか、必ず3人で相談しながら決めていくそうです。3人とも自然が好きで根が真面目でマメなことが共通し、社歴や役職に関係なく、同じ目線で話し合うことを「当たり前」にしているといいます。 

 

社員の一人、山本卓朗さんは今年で4年目。前職は金融機関勤めでした。 

 

 

「私も出身が白山麓地域でしたので、白山麓のために地域貢献できる仕事がないかと考えていたところ、社長の清水に声を掛けられました。お米という形として残るものを作れることで、地域のために働いている実感も味わえます。 

 

仕事は毎日何をするか話し合って決めるので、自分で主体的に作業ができているのではないかと思います。山での農作業はイノシシの侵入という厄介な問題もあって、今日はその侵入を防止するために田んぼと山との境界を作るための草刈りをしていました。これも今日は草刈りをここまでしよう、と決めて作業しています」。 

 

 

また、山本さんは会社のある柔軟な対応にも感謝しているといいます。 

「私はこの仕事と別途、冬に白山麓でスキーコーチをしたいという思いもあり、入社前にそのことを相談させてもらいました。今は春から秋にかけて集中して仕事をして、冬はスキーに専念しています。ワーク・ライフ・バランスの実現も、地域貢献もでき、充実した日々です」。

 

白山麓の米を守るためのアイデア 

 

同社のミッションは白山麓の米を守ることで、離農する農家から農地を譲り受けて事業が成り立ってきました。 離農の理由はさまざまで、そのなかには必要なサポートさえあれば続けられる事案があるといいます。 

 

「田んぼを辞めるという人の中には、機械が壊れてしまって続けられないという人がいます。白山麓の米作りを継承していくには、今頑張っている農家の方々と共に守っていく必要がある。自分たちが農地自体を請け負って広げるのではなく、困っている農家さんのネックになっている部分だけを僕たちが請負うことで、可能な限り続けてもらいたいと思っているんです」。 

 

 

稲作には田んぼを耕すトラクター、苗を植える田植え機、稲を収穫するコンバイン、さらに、乾燥機や精米機など、たくさんの機械に手を借りています。 

こうした機械は高いものだと数百万円となり、経営状況や就農者の年齢によっては修理や買い替えの費用を出してまで続けるのを諦めざるを得ず、農地の縮小や離農という結論になるそうです。 

 

そこで同社では作業の一部を委託で受けたり、農業機械を貸し出したりし、農業を続けるよう説得。約10軒の農家が農業を続ける決断をしたといいます。 

 

 

 

白山麓の米農家とも連携しながら、「白山麓産」の米を守るファーム白山。 

清水さんの思いがこれからどうつながり、広がり、続いていくのかにも期待が高まります。 

求人詳細

農業

株式会社 ファーム白山

住所
〒920-2372 石川県白山市瀬木野町ヌ228番地
電話番号
076-259-6639
募集職種
農業従事者(米作作業員)
雇用形態
正社員
給与
月給20万円~(要相談)
勤務地
石川県白山市瀬木野町ヌ228番地
仕事内容
農業全般
勤務時間
8:00~17:00
休日休暇
年間115日
土・日・祝日、年末年始、お盆休み(冬は要相談)
※5月(田植え期)や9月(収穫期)は変動することがります
求める人物像
自然が好きな人、真面目な人
問い合わせ先
076‐259‐6639
もしくは
090‐7745‐4459(清水)

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